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私はこれまで、看護師として病院や地域社会で、多くの病気や障害のある患者様に出会いました。
病院では、患者様が治療に専念され、無事に退院されることを目標に看護してまいりました。訪問看
護では、ご利用者様がどのような生活を望まれているかを第一に考え、サポートしてまいりました。
しかしながら、病院や在宅医療の現場では、何かが足りないと感じていました。特に、患者様から
「もっと話を聴いてほしい」ということや、「長く生きるだけではなく、人生を楽しみたい」というニーズに
十分に応えることができていないと感じていました。これは、私が2014年に実施した研究調査でも明
らかになりました。
この調査では、一人では外出困難な高齢者にインタビューを実施しました。インタビューに応じてくだ
さった方々には、自宅にいて過ごすだけではなく、「会いたい時に会いたい人と会って話がしたい」、
「行きたいところに行きたい」、「楽しいことをしたい」という人生を楽しみたいという強い願いがありま
した。
現在の公的医療や福祉サービスだけでは、これらのニーズには応えられません。現在、厚生労働省
が2025年を目処に「地域包括ケアシステム」の構築をすすめています(厚生労働省ホームページ)。
このような動きの中、日本国内では日本看護協会や行政、医療・福祉施設、法人が地域の人が
気軽に健康を相談できる場所「まちの保健室」の設置をはじめています。
私が所属する札幌市立大学においても、私が企画から準備・運営・推進にいたるまで携わり、2015
年に真駒内キャンパス内に「まちの健康応援室」を開設いたしました。この「まちの健康応援室」は、
地域の人と大学の学生・教職員の交流の場でもあり、地域の人の健康を応援する気軽に健康相談
できるまちの保健室機能を担っています。
それから、いろいろなご縁があり、まちの保健室を設置したいというご相談を受けることがありまし
た。このようなニーズに応えるため、「100歳になっても健康で自分らしく楽しみながら生きられる社会
を創造する」、「人々が100歳になっても健康で楽しく自分らしく生きることを支援する」ことをミッション
として、株式会社かんごぷらすを設立いたしました。
私たちは、このミッションを実現するために、「100歳になっても健康で楽しく、自分らしく生きることを
サポートする」を企業理念とし、私たち自身がまちの保健室機能となり、地域社会に貢献してまいり
たいと存じます。
2023年10月17日
株式会社かんごぷらす
代表取締役社長 中田亜由美